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あの花蓮が進化した 「+α の計算特訓」 [算数の成績をあげたい]

 

  毎日の『計算』にプラスして10分。基礎的な計算力を鍛えようと、花蓮と決めたものの、何を、どうやれば計算力の向上になるのか。最初は教材探しから始まりました。
  何冊かドリルの類を買って試しました。やり方は、問題をコピーして毎日10分間とりくむ。同じ問題を「昨日より1題でも多く」を目標に。やってて効果的かどうか、よくわからない。第一、ピンとくるドリル自体が見つからない。
  教材を探しあぐねていたとき、花蓮が四年生のときに一番効きめがあった『百ます計算』のことを思いだしました。ただ単に数字を並べたものや、数をこなせばOKというものは役にたたなかった。効果的に計算力をアップするには、よく練られた良質な基礎問題を徹底して反復するのが一番いい。そう感じ、実際に目に見える形で結果がついてきた、「シンプル・イズ・ベスト」を痛感した、あのテキストです。サブタイトルには「徹底反復」の文字があった。陰山英男先生が作成したものでした。
  陰山先生はほかに問題集を作っていらっしゃらないのだろうか? ふと、そう思い、同じ徹底反復シリーズのなかの『新版計算プリント』という問題集をとりよせてみました。手に取ってすぐ面白いと思ったのは、同じ数字をどんどん足したり、引いたりしていく「エレベーター計算」。ユニークだと思いました。このテキストには、工夫がある。そう感じられた。カンのようなものでしたが、よし、これを使ってみよう。そう、決めました。

 

徹底反復 陰山メソッド「新版計算プリント」 (教育技術MOOK 陰山英男の徹底反復シリーズ)

徹底反復 陰山メソッド「新版計算プリント」 (教育技術MOOK 陰山英男の徹底反復シリーズ)

  • 作者: 陰山 英男
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2009/04/16
  • メディア: 単行本


*~* このテキストの構成と注意したいポイント *~*

B5サイズで、2部構成。第1部は「基礎計算プリント」として、「百ます計算」「エレベーター計算」「C型わり算百題」の3種類の計算があがっています。第2部は「学年別計算プリント」で、最初からやっていけば、きっと計算力がついたんだろうなぁと思いながらも、もう、花蓮にはそんな時間はありませんでした。

このテキストは各ページをコピーして何度も使用し、徹底的に反復することを前提に作られています。「C型わり算百題」のページは、花蓮は視力が悪いので、B4サイズに拡大して使用。このページの正解はテキストにのっていないのですが、最初は答えあわせをしました。同じところで間違えていて、花蓮の間違いのパターンが発見できました。全問正解が続くようになってからは、やりっ放しでした。

なお、「C型わり算百題」以外に、花蓮が試したのは「エレベーター計算」。これも、やってみて答えをあわせると、花蓮の場合、やっぱり同じところで間違えていた。計算間違いには、苦手というか不得手なパターンがあるのだとわかりました。分数の計算もやりました。ただ倍数や通分に関連して、このテキストでは、「組み立てわり算」という方法を使用しています。花蓮はすでに塾でのやり方を身につけていたので、このテキストのやり方には従いませんでした。かえって混乱すると思ったので。しっかりとした「ねらい」があって作られた教材なので、説明文をじっくり親も読んで取り組むと、いっそう効果があがると思います。

 

 

目標は3分。
入試に間にあうのだろうか

  花蓮が「+α の計算特訓」として使ったのは、このテキストの26ページにある「C型わり算百題」です。余りのある割り算を百題解くというもので、このページの下にだけ、とても小さな字で、「5年生以上の人は、百題を5分、できれば3分以内で解きこなせるようになるまで毎日取り組みましょう。脳の発達に非常に有効な教材です。」とありました。
  また、カバーの表紙側の裏には、この本の特徴がいくつかあがっていて、次のように書かれていました。

特に徹底的に反復学習してほしいのが、「わり算100(C型わり算)」です。これを3分以内でこなせるようになったとき、子どもたちが驚くべき成長を遂げるということを私は何度も体験しているのです。

  驚くべき成長を遂げる────陰山先生の言葉です。正直にいうと、信じたわけではなかった。ただ、もう、教材さがしで手間どっている時間はなかった。藁にもすがる思いで、この2つの文章を心の支えに、ともかくスタート。目標タイムは、「3分。当然でしょ」と花蓮。本番までに、間にあうんだろうか? 効果は半信半疑、入試までの時間を考えると不安だらけでした。

 

 


花蓮が変わった
計算力がパワーアップ!

  「+α の計算特訓」は、花蓮にとって、劇的といっていいくらい効果がありました。その点を、先にお話ししましょう。あの花蓮が、どんなふうに変わったか。そして、この計算特訓にどんなプラスの効果があったか。できるだけ具体的に。

①計算のスピードが格段にアップした。春、チャレンジした第一志望校の入試問題を例にとると、複雑かつ難易度の高い計算問題だけで、試験時間を使いきっていたが、手早くきりあげて、ほかの問題を解く時間の余裕がうまれた。

②計算の精度が明らかに増した。全問不正解だった第一志望校の計算問題を、花蓮は正解できるようになった。同じ問題に慣れたというのではなく、他年度の問題も同様。難易度の高い計算問題が正答できるようになった。全問正解とまではいかなかったが、1問だけの間違いで切りぬけられるようになった。

③毎日の『計算と漢字』の計算問題が7分以内で全問正解できるようになった。六年の前期は、早くて13分前後。つまづくと20分以上かかっていた。全問正解など、とてもできなかった。しかし、後期のほうが問題の難易度はあがっているにもかかわらず、ほぼ7分。プラスしても1~2分。間違えても1問。時間に対する感覚が鋭くなり、しかも何問も間違えることはなくなった。(この点に関しては、「目標タイムを決めて『計算』にとりくむ」や「毎日の『計算』がめざすもの」など、過去の記事をご覧になってください)

④算数の苦手意識が薄まった。以前は手も足もでなかった難しい計算問題が解ける。ふつうの計算問題なら間違えない。こういう実感をもてたことは、長年、算数に苦しんできた花蓮にとって非常に大きかった。計算問題に対する自信が、算数という科目全体に広がり、いい影響を与えたと思う。

⑤追いこみの時期に、毎日の『計算』を7分以内、全問正解で、朝がスタート。大切な時期の貴重な1日を、前向きに過ごす、大きな推進力になってくれた。これは、実にありがたかった!

⑥入試本番3連戦も、「+α の計算特訓」をやってから出発。朝、頭を起こすために「計算と一行題」を家でやってから試験に向かうという話は聞いていたけど、実際は、時間のないなか、いつもより緊張して問題を解くと間違えやすい。ふりかえろうとすると余計に時間がとられる。また1問でも間違えると、そのことが引っかかってネガティブな印象を引きずったまま学校に到着することになるが、この「+α の計算特訓」は、頭をクリアに目覚めさせるという目的を充分に果たすことができる。しかもリズムにのれる。万が一、多少タイムが遅くても、「朝早いのに、このタイム! 大丈夫!!」と声をかけて、気持ちよく出かけることができた。

  いつから、どんな効果が、目に見えて現れるなどとは、とても言えません。しかし、ただ1つ確かなことは、もし、この「+α の計算特訓」をやっていなかったら────そんなことはとうてい考えられず、想像しただけでぞっとするのですが────六年の春、第一志望校の計算問題だけで試験時間を使いきり、しかも全問不正解の花蓮、あいかわらずの花蓮のままだったということ。
  今朝あらためて、花蓮に、「+α」をやってどうだったか、算数の苦手意識がどんなふうに薄れたかをたずねたのですが、こんな返事が返ってきました。
  「苦手じゃなくなったとか、そういうんじゃなくて、嬉しかった。早く計算できて、間違えなくなって、すごく嬉しかった。(小さく作った拳を上下にゆらしながら、) 『おぉぉぉー おれは勝ったぜー』って感じ。何に勝ったかっていうのは、ちょっとわかんないんだけど…………」


 

 

しかし、
「3分の壁」は厚かった

  3分を目標に始めた「+α の計算特訓」。5分は達成できます。でも、3分は非常に厳しかった。花蓮はタイムを縦軸、日にちを横軸にとり、毎日、記録を折れ線グラフで記入しました。紙が足りなくなると、どんどん横にたしていって、記録をつけ終わるとくるくると巻物のように巻いていました。最後に、その記録紙をひもといて、花蓮がどんな具合に、スピードを短縮していったかを記しておきます。
 
 8月 1日    11分06秒 これがスタート時のタイム。「おそ~い」と花蓮。
 8月16日     4分42秒 初めて5分をきる。
 8月30日     4分55秒 この日以降、5分を超えることはなくなる。4分、3分台を推移。なかなか、3分をきれない日が続く。
10月 1日     2分53秒 初めて2分台に突入するも、すぐ3分台に逆戻り。3分台を行きつ戻りつしながら、ときどき2分台後半のタイム。1日休むと4分台に下がることもあった。3分をきることの難しさを痛感。
12月 3日     2分45秒 この日以降、2分30秒~3分10秒の間を推移。2分台後半の日が多くなってきたが、3分台の日も。1日休むと、確実に3分の1桁台に戻ってしまう。この数秒に、3分の壁をあらためて実感。あと一歩ながら、息詰まるような毎日。
12月24日     2分31秒 この日以降、常に2分30秒前後のタイムを維持。なんとか、なんとか、間にあった!

 

*~* 3分以内でこなせるまで、あきらめない*~* 

毎日続けていると、タイムがガクンと一気に下がる日があります。でも翌日にはまたもとにもどってしまう。一見そう見えるのですが、実はそこからジリジリとタイムは下がり、やがてそのガクンと下がったタイムを維持できるようになります。そしてしばらくすると、またガクンと下がり、もどり、ジリジリ下がり…………というサイクルをくりかえしながら、花蓮は3分に近づいていきました。タイムがおちると、「もう1回やる」と言いだすので、その点、要注意。悔しいのはわかるから、あまりにもくいさがるときは、もう1回やりました。でも、2回めのタイムのほうがいいということはなかった。3分以内を維持できるようになるまでに時間がかかるので、我慢して継続できるかどうかが、一番の鍵。そこにつきると思います。

また、続けるためには、自分で記録をつけるのが効果的だと思います。タイムが下がっていくのを、本人が目で見て実感できるからです。確かに、ちょっと時間はとられますが、長い目で見れば、メリットのほうがはるかに大きいと思いました。なお、「3分以内でこなす」という目標は、5年生以上という、著者の但し書きがある点に、どうぞ、ご注意ください。


 

  最高タイムは2分15秒。スタート時と比較すれば、実に8分51秒の短縮です。自分で決めた目標3分をめざして、弱音を吐くことなく、花蓮はよくがんばったと思います。

  実は、この最高タイムを樹立した日以降の記録はありません。毎日の『計算』の前に必ず、「+α の計算特訓」は続けていましたが、花蓮自身が記録をつけることをやめたのです。いつも、お気に入りのピンクのボールペンで線を引き、横に何分何秒とていねいに記入していたのに。新記録達成の日、「ふぅー」とため息をついた花蓮。翌日、記録をつけようとしない花蓮に、「どうして、書かないの?」とたずねると、ただ一言。
  「もう、つけなくていいんだよ」
  しっかりと前を見据えた横顔は、遠かった。四年生のとき、テスト前日に「こわいよ~」を連発していた花蓮も、五年生のとき、成績優秀者にわたされるノートを嬉しそうに見せてくれた花蓮も、六年の夏、最下位の席に座って涙を流した花蓮も、私の知っている花蓮は、もう、どこにもいなかった。
  2011年12月31日。大晦日。入試本番が1ヶ月後に迫った、静かな歳の暮れのことでした。

 

 

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コメント 2

うり

こんにちは! 毎日暑いですね~
+αの計算練習 伝授していただきありがとうございます。
さっそく購入します(笑)

ただ、我が家の場合、本人のやる気の問題が・・・
のんびりタイプなので「高校受験回避」というまったく親側の都合で
始めた受験勉強。
やる気が出ないのも当たり前なのですが
生意気な態度についつい私も応戦してしまい
肝心の勉強がはかどらず・・・反省の日々です。

花蓮ちゃんはコツコツまじめで素直な努力型のようですが
バトルなどはありませんでしたか?
そのあたりのことも秘訣がありましたら急ぎませんので
伝授いただけるととても嬉しいです。
文章からもお母様の優しさがにじみ出ているので
花蓮ちゃんもがんばれたのでしょうね。
by うり (2012-07-15 14:32) 

りらっくま

はじめまして。Nに通う小6女子母です。今日のカリテ、苦手の立体で大撃沈でした。ずっと算数は苦手ですが、特に最近不調でして・・・今回はかなりテキストもやりこんだつもりでしたが、本当に結果に結びつきません。特に立体は、細かい計算が多くて、ミスの連続です。いつもはノーテンキな娘も、落ち込んでいます。そんな中、花蓮ママ様のブログを拝見して、泣けてきました。そして夏に向けてがんばろう、そんな風に思えました。勇気をありがとうございます。まだまだこの時期基礎固めですよね。計算をもう少し真剣にやってみようかな。今ならまだ間に合う、そう信じてがんばりたいです。更新を楽しみにしています!
by りらっくま (2012-07-15 19:32) 

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ようこそ!

 

中学受験を終了されて、いろんな感想を綴ったコメントを送ってくださって、ありがとうございました。

お返事を書きました。
今は、おたよりのページの整理が追いつかない状態ですが、少し時間をかけて、また、「風は、うたう」のページにまとめていこうと思っています。

今日も、来てくださって
ありがとう。

                      <2012年 中学受験体験記>

[かわいい]ゆのさんへ [かわいい]輝ママさんへ 
[かわいい]さくらさんへ [かわいい]アルゴさんへ 
[かわいい]みどりいろさんへ [かわいい]chanchanさんへ

[かわいい]そして最後まであきらめないで
走り抜けたみなさんへ


長い長い間、ほんとうにお疲れさまでした。
親子で走り続けることって、いいときばかりではなくて、むしろ辛いときや、投げ出したくなるときのほうが多い。それが中学受験を終えたときの、私の率直な感想でした。
でも、それを最後までやりとおしたことって、すごいことなんですよ。─── そして走り続けた、おひとりおひとりの日々を思うと、ほんとうによくやってこられたと思います。

決して、結果ではない。後悔しないこと─── それが一番大切だと、私は思っています。だって、それが生きるということじゃないですか。


その大切さを伝えたくて、あえて「全落ち」という言葉を使って、今回の記事は書きました。後悔しない日々の先にこそ、必ず道は開けてくる。たとえ、いま涙を流そうとも、たとえ少し時間がかかったとしても………。 必ず道は開けると、私は信じています。

わが子の居場所が感じられる学校に進学された方も、また合否にとらわれずに、最後までお子さん自身の意志を尊重された方も、みなさんの手のなかには、その結果以上のものが、わが子との間に確かにあると感じていらっしゃるのではないでしょうか。

そして中学受験、道半ばのみなさん、どうか今日一日を大切に。
わが子との一瞬一瞬を大切に、過ごしていってください!

                      <2012年 中学受験体験記>

[かわいい]さくらさんへ
このブログを読んでくださるみなさんへ

さくらさん、このブログが心の支えだったと言ってくださって、こんなに嬉しいことはありませんでした。
わたしのほうこそ、ありがとう!

去年、中学受験を闘った私自身、正直、辛いことが多かった。
受験ですから、競争ですから、それにママ友をつくるのがあまりうまくない私にとって、試行錯誤の日々でした。

ひどく孤独ななかで感じたり、考えたり、また見つけた方法を、できるだけ多くの中学受験をするお母さん方に知ってほしいと思って綴りました。


ひどくムラのある投稿にもかかわらず、
アクセス解析をみると、深夜でも、早朝でも、どの時間帯も、いつも、何人もの方が必ず読んでくださっているということが、
このブログを書き続ける、私の心の支えでした。
心から感謝しています。ありがとう。

                      <2012年 中学受験体験記>

 コメントのお返事について

お便りのお返事のページが、「あなたに エールをおくる」のなかにあります。
最初、お返事はいつも、トップページに掲載し、そのあと、消してしまわずに、お便りのページに移動します。このブログを読んでくださっている、みなさんに向けたメッセージでもあるので。
タイトルは「風は、うたう」────いつでも、どうぞ、訪ねてみてください。

                      <2012年 中学受験体験記>

  風のように

さわやかに吹く風のようでありたい。
ブログデザインのイメージ「草原の風」は、私のテーマのひとつです。

                      <2012年 中学受験体験記>

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