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苦手算数とチョコ作戦 [どう、子どもと向きあおうか]

 

  算数の成績をあげたい。毎日の『計算』はやらなきゃいけない。それなのに、「『計算』やろう!」と声をかけても、花蓮はノってこない。

  算数 → 苦手 → やりたくない → 取りかかるのに時間がかかる→ 取りかかってからも時間がかかる → ますますやりたくなくなる → ますます苦手…………。
 
  花蓮の場合は算数でしたが、苦手科目につきものの、この悪循環からなんとか脱出する方法はないのだろうか…………?

 

 

やる気を引きだす
チョコ作戦

  いろいろと、私なりに考えました。すこしでも積極的に、毎日の『計算』や算数の宿題に取り組んでほしくて、苦手科目もやる気になってほしくて、思いついたのが、チョコ作戦。日能研に入りたての四年生のころのことでした。

  「『計算』やろう!」とは言わないで、「チョコタイムだよー」と声をかけることにしたのです。そう、チョコレートで釣るという、苦肉の策。
  毎日の『計算』が終われば、チョコがもらえる。量の多い算数の宿題も、3~5題ずつに分けて、小さな区切りが1つ終わったら、またチョコがもらえる。算数をどんどんやれば、そのつど、チョコが食べられる、という仕組みです。
  1回にあげるチョコレートは、ルックやアポロチョコ、マーブルチョコやチロルチョコなど、小粒のもの。キットカットや板チョコをわることもありました。頑張ったときは、ガーナ半分とか、うんと頑張ったときは、私のほうも奮発して、1枚!

 

 

テスト前日は、
いつもと違う「特別チョコ」

  うちには、もう1つのチョコ作戦がありました。
  入塾したころの花蓮は、テスト前日になると決まって、「明日のテスト、こわいよー」と言いだして、半べそをかいていました。
  また塾の席順が、テストの成績順に決められると知ってからは、もともと嫌いだったテストが大嫌いになりました。通っている校舎で最下位のクラスだったし、しかも、いつも後ろから数えたほうが早い席。テスト前日は、ほんとうに晴れない顔をしていました。
 
  なんとか、勇気をだしてほしかった。元気に、笑顔でテストを受けに行ってほしかった。そこでテスト前日には、普段とは違う「特別チョコ」を食べて出かけることにしました。これがそのチョコ(今はもう家になくて、楽天で写真を見つけました。びっくりするくらいの甘さ)です。

 

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  *~*~* ミルキーウェイは、甘く、ほろ苦いテストの思い出 *~*~*

テスト結果って、気になりますよね。クラス順位が発表になる日も。成績上位者に入っているかどうか、そして席順はどうか…………。私はとても気になりました。
だから、順位が発表になった日は、帰る車のなかで、花蓮に席順を聞いていました。でも、結果がよかったときは、笑顔で駆けて、車に戻ってくる。そして自分から話すとわかって、聞くのをやめました。

六年の夏、最下位の席に2度、座ったときは、花蓮のほうから「最下位だった」と言いました。なんとか励ましたくて、「大丈夫だよ」とか「こんなに頑張っているんだから、この次は…………」とか、思いつく限りの言葉を並べました。黙って聞いていた花蓮は、車から降りるとき、
 「お母さんは知らないから、そんなふうに言えるんだよ。最下位の席は、一番後ろで、先生も黒板もほんとうに小さくて、字だって、すごく小さくて…………。遠く、感じるんだよ」
 と、言いました。このときは、親には親の苦労があるけれど、子供にも、親にはわからない、子供の苦労があるんだと知って、あとは言葉がありませんでした。

★さて、2つのチョコ作戦をうまく続けるには、1つ、コツがあります。それは、適当にときどき、子供といっしょにチョコレートを食べること! 便乗ではなくて、中学受験生のお母さんにも、ご褒美は必要だと思うから!!!

                           *~*~*~*~*~*


 

  このチョコレートを食べれば、明日は大丈夫。きっといい成績がとれるよ、というわけです。花蓮は大喜び。テスト前日には必ず、このチョコを食べて、翌日は元気に出かけていくようになりました。
  はっきり言って、何の根拠もない。「ちちんぷいぷい」といっしょのおまじないの類ですが、あらためて今、花蓮に聞いてみると、テストの前の日には、普段とは違う、ちょっとおいしいチョコが食べられて、嬉しかったと言います。そして、あのチョコを食べれば、「テスト、大丈夫かも…………」と思ったとも。テスト前にチョコを食べて元気になるなんて、半信半疑かもしれませんが、小学三、四年生や、通い始めたばかりでまだ塾のシステムやテストに慣れていない子、それから花蓮のように、比較的、幼さ度が高い場合は、効き目があるのではないでしょうか。

 

 

「国語は、チョコいらない
でも、算数はチョコがいる」

  ここまで読んでくださって、チョコで釣るなんて、何やってんだろう…………って、お思いになりました?
  いいんです。私もそう思っていましたから。チョコで釣るなんて、情けない。われながらバカだなぁ。何やってんだろう。そう思っていました。例えば、日能研のビデオ「オン・ザ・ロード」に登場する子たちは、みんな颯爽としてる。あの子たちは別格としても、あまりにも差がありすぎる。うちの子は、サーカスのクマか動物園のチンパンジーか…………と、悩みもしました。でも、小学四年生のころの花蓮の幼さにつきあって、引っぱっていくには、こんなことでもやるしかなかった。
 

  あれは、五年生のときでした。遅くまで塾の算数の宿題にとりくんでいた花蓮が、ふっとこう言ったのです。
  「国語はね、チョコいらない。花蓮は国語、得意だし、チョコなんて、なくったって平気、大丈夫。だけど────算数はね、チョコいる。チョコがあるって思うだけで、頑張れる。こんなにたくさん宿題あるけど、最後までできるよ。だから、チョコちょうだい!!」

  この言葉で、ふっきれました。私の悩みや迷い、疑問やわだかまりも全部、吹き飛ばしてくれた。チョコで頑張れるなら、あげちゃおう! 何個だって、あげちゃおう!!!
  だって、算数を頑張らなきゃいけないってこと、花蓮自身がよくわかっている。よくわかっているけれど、やっぱりきついんだ。きついけれど、第一志望校合格をめざして、花蓮は毎日、苦手な算数に取り組んでいる。毎日。毎日。毎日。毎日。毎日。毎日。毎日…………。目を閉じてわが身をふりかえれば、親の私のほうが、嫌なことは後まわしにして、おまけに言い訳したりしてる。反省しました。そして自問しました。受験生としてはあたりまえかもしれないけれど、こんなふうに、毎日、苦手なことを頑張れるだろうか────。

 

 

中学受験を通して
子供は頼もしく成長していく

  最初はチョコに釣られて、毎日の『計算』を始めた花蓮も、だんだんと学習の習慣が身につきました。また、あれほどテストを恐がっていたのに、学年が進むにつれ、「また、テスト? あっ、そう」と、こっちが拍子抜けするほど、テスト慣れしました。大手塾特有の、六年になってからの毎週末のテストは、子供にとっても、親にとっても負担に感じていたのですが、こうしているうちにテストが日常の一部になって、本番を恐れなくなっていくのかと、あらためて狙いがわかった気がしました。
  テストの成績順に席が決まること───最下位クラスから出発した花蓮にとっては、嫌なことだったろうけれど、悔しくて、だから頑張れたのも事実。最下位の席に2度も座った、最後の夏の経験も、花蓮は我慢して、強くなっていった。すこしずつ、いつの間にか成長して、追いこみの時期には、もう何も言葉をかけなくても、次々と自分から課題をこなすようになっていきました。本番が近づけば近づくほど、ぐんぐんと、ほんとうに頼もしくなっていった。

  中学受験に向けた3年間の塾生活のなかで、心に残っている花蓮の言葉はいくつかあります。その1つが「国語は、チョコいらない。でも、算数は、チョコがあるって思うだけで、頑張れる」────あの夜の言葉です。この言葉が忘れられなくて、入試前日までずっと、算数の区切りには、やっぱりチョコをあげていました。

 

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ようこそ!

 

中学受験を終了されて、いろんな感想を綴ったコメントを送ってくださって、ありがとうございました。

お返事を書きました。
今は、おたよりのページの整理が追いつかない状態ですが、少し時間をかけて、また、「風は、うたう」のページにまとめていこうと思っています。

今日も、来てくださって
ありがとう。

                      <2012年 中学受験体験記>

[かわいい]ゆのさんへ [かわいい]輝ママさんへ 
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[かわいい]みどりいろさんへ [かわいい]chanchanさんへ

[かわいい]そして最後まであきらめないで
走り抜けたみなさんへ


長い長い間、ほんとうにお疲れさまでした。
親子で走り続けることって、いいときばかりではなくて、むしろ辛いときや、投げ出したくなるときのほうが多い。それが中学受験を終えたときの、私の率直な感想でした。
でも、それを最後までやりとおしたことって、すごいことなんですよ。─── そして走り続けた、おひとりおひとりの日々を思うと、ほんとうによくやってこられたと思います。

決して、結果ではない。後悔しないこと─── それが一番大切だと、私は思っています。だって、それが生きるということじゃないですか。


その大切さを伝えたくて、あえて「全落ち」という言葉を使って、今回の記事は書きました。後悔しない日々の先にこそ、必ず道は開けてくる。たとえ、いま涙を流そうとも、たとえ少し時間がかかったとしても………。 必ず道は開けると、私は信じています。

わが子の居場所が感じられる学校に進学された方も、また合否にとらわれずに、最後までお子さん自身の意志を尊重された方も、みなさんの手のなかには、その結果以上のものが、わが子との間に確かにあると感じていらっしゃるのではないでしょうか。

そして中学受験、道半ばのみなさん、どうか今日一日を大切に。
わが子との一瞬一瞬を大切に、過ごしていってください!

                      <2012年 中学受験体験記>

[かわいい]さくらさんへ
このブログを読んでくださるみなさんへ

さくらさん、このブログが心の支えだったと言ってくださって、こんなに嬉しいことはありませんでした。
わたしのほうこそ、ありがとう!

去年、中学受験を闘った私自身、正直、辛いことが多かった。
受験ですから、競争ですから、それにママ友をつくるのがあまりうまくない私にとって、試行錯誤の日々でした。

ひどく孤独ななかで感じたり、考えたり、また見つけた方法を、できるだけ多くの中学受験をするお母さん方に知ってほしいと思って綴りました。


ひどくムラのある投稿にもかかわらず、
アクセス解析をみると、深夜でも、早朝でも、どの時間帯も、いつも、何人もの方が必ず読んでくださっているということが、
このブログを書き続ける、私の心の支えでした。
心から感謝しています。ありがとう。

                      <2012年 中学受験体験記>

 コメントのお返事について

お便りのお返事のページが、「あなたに エールをおくる」のなかにあります。
最初、お返事はいつも、トップページに掲載し、そのあと、消してしまわずに、お便りのページに移動します。このブログを読んでくださっている、みなさんに向けたメッセージでもあるので。
タイトルは「風は、うたう」────いつでも、どうぞ、訪ねてみてください。

                      <2012年 中学受験体験記>

  風のように

さわやかに吹く風のようでありたい。
ブログデザインのイメージ「草原の風」は、私のテーマのひとつです。

                      <2012年 中学受験体験記>

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