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最後の夏、最下位の席に2度、座る <前編> [入試へのカウントダウン]

 

  六年生になってクラスダウンした花蓮は、夏休み前に1つあがって、もとの下から3つめのクラスに返り咲き。順調に最後の夏休み、夏期講習を受けることになりました。秋からの最終ステージは、もう1つクラスアップできたらいいね、なんて親子で話し合いながら。
 ところが、夏期講習が始まってみると、順調なんてとんでもない。2回めのテストで、花蓮は最下位。3回めのテストでも最下位。続けて2度も最下位!! 
 理由は算数です。

         共通   基礎     合計
2回め    8     30      38
3回め    10    25      46

  あたりまえながら、いずれも150点満点。受験種別・基礎クラスの平均点はそれぞれ80点台半ば、70点弱で遠くおよばず、2回めは久々に評価3がつきました。
  これ、六年生ならきっとわかっていただけると思いますが、そうとう厳しい。惨憺たる結果です。2回めのテスト、共通で一桁しかとれなかったとき、最下位を覚悟したらしいけれど、クラス内順位が発表された日、車のなかで花蓮は泣きました。ぽろぽろ涙をこぼして泣きました。次こそはと受けた3回め、共通はかろうじて二桁にのったものの…………。もう一度、最下位を覚悟をしたらしいけれど、いざ現実になったときのショックは大きくて、やっぱり涙をこぼして泣きながら、
  「あぁ、クラス、落ちるね」

 

 

  あのころのことを思い出すと、今でも胃が痛くなります。せっかくクラスアップしたのに。秋からは過去問も始まって、いよいよスパートだというのに。またもう1回クラスダウンなんて。花蓮のダメージは計り知れない…………。
  算数が苦手の花蓮ではありますが、どうしてここまで点数がとれなかったかには、わけがあります。
  それは、夏期講習中、算数の先生から指示された宿題をやらなかったから。もう少し詳しく説明しましょう。夏期講習、算数ももちろん受講しました。授業のふりかえりもやりました。ただし、わかる問題と、もうすこしで理解できそうな問題だけにしぼって。授業を聞いても、わからなかった問題を何とか理解するために時間を使うことはやめ、同時にクラス全員に指示された宿題をパス。そうして作り出した時間で何をしていたかというと、花蓮は前期テキストの「考えよう」総復習に取り組んでいました。なぜなら、

①前期、スピードが速くて、花蓮は「考えよう」がよく理解できていなかった。

②クラスダウンしたときの算数の先生が、「考えよう」の4や5を解説していない単元があった。つまり、いくつかヌケがあった。

③四年生のときも、五年生のときも、夏期講習をうけた。算数の先生の指示どおりに宿題もやった。しかし、花蓮にとって、力がついたという実感はなかった。次の授業までに宿題を何とか終わらせるのが精一杯。ついていくだけでやっとの状態。花蓮なりに時間をかけて努力もしたが、実りが薄かった。ぱっとしない花蓮の算数の成績が、それを物語っていた。

④四年生、五年生のときと同じように夏期講習をうけて、同じやり方で算数の勉強したなら、おそらく同じ結果しか手に入らない。六年の夏が終わったとき、前期の「考えよう」の内容を未消化のまま、最終ステージを迎える。あいかわらず花蓮は算数に不安を抱き続ける。そして、そのまま入試に突入することになる。

⑤どうすればいいかを考えたとき、花蓮にとってヒントになる1つの体験があった。それは、六年生になる直前の冬休み。算数の力をつけるには何をやればいいかを塾に相談すると、算数の専任教師から、テキストの「考えよう」を復習するのが一番いいと進められ、取り組んだ経験だった。その先生は、1)栄冠よりも何よりも、「考えよう」でとりあげている問題こそが、その単元のなかで、ほんとうに理解すべき基本的な、要の問題である。この理解なくして、先に進めない。2)授業で先生からしっかり解説をうけているので、頭に刻みこまれている。3)仮に忘れてしまっていたとしても、自分のノートがある。ノートを見るうちに、もう一度、頭のなかに、そのときの授業のようすが再現され、思いだすに違いない。ざっとこういう理由からだったのですが、実際やってみて、その先生のおっしゃるとおりだったこと。また、1つずつ理解して納得しないと前に進めないマイペースな花蓮にとって、数をこなすより、基本問題の理解に主眼をおいたこのやり方は、ぴったりくる算数の勉強法であったこと。


  五年生の最後に「考えよう」を総復習した体験は、言ってみれば、花蓮にとって、数少ない算数の成功体験だったのです。いちばん力がついた納得できるやり方で、最後の夏を過ごそう。ふたりで話し合った結論────それが、前期テキスト「考えよう」総復習でした。

 

 

  講習直前の面談で、学年担当の先生には、お話ししました。夏期講習中に、うちは前期の「考えよう」の総復習に取り組むと。学年担当の先生からは、「いや、しかし、宿題など、教科担当の指示がでますから、それには従ってください」と言われましたが、私はくいさがりました。
  従いたいのはやまやまであること。しかしながら、花蓮はほんとうに前期の「考えよう」の内容が理解できていないこと。このままにしておくことはできないこと。夏期講習の算数のカリキュラムをチェックして、その日に習う内容に相当する単元の『考えよう』を復習してから、授業を受けるようにしたいこと。そして、思いきってこんなことも言ってみました。
  「四年生や五年生のときは、来年の夏はきっと理解できるだろう、学年があがればもうすこし算数の力がつくだろう、と考えてきました。でも、もう、花蓮に来年はありませんから」と。

 

 

  算数は前期テキストの「考えよう」総復習しかない。ふたりで決めて、納得して取り組んだことでした。それでも2度続けて最下位の席に座るという事態に、私もたじろぎました。みんな、必死でやってるんだと痛感しました。こんなことなら、ハイペースであったとしても、塾の方針どおりに夏期講習をうけて、指示のあった宿題を、多少無理しても言われたとおりに、花蓮なりにこなしていたほうがよかったのだろうか。そうすれば最下位の席に座ることはあったとしても、さすがに2度も座ることはなかったかもしれない…………。心中は穏やかではありませんでした。頭のなかは堂堂巡りをくりかえしていました。真っ暗なトンネルのなかにいるような気持ちをこらえながら、必死で、あの日、確か花蓮に、こんな話をしたと思います。

   「地獄を見る」という言葉があるけれど、いま体験していることが、花蓮の中学受験体験における、それだと思う。でも、「底を打つ」という言葉もある。きっと、この状況がどん底に違いない。だから、こんなにも辛い。嵐のときは、じっと通り過ぎるのを待つしかないように、今は、がまんするしかない。だって、言われたとおりにやっていたら、これまでの夏と同じ。何も変わらない。弱点の算数を何とかしたいから、ふたりで、どうすればいいか、考えて決めた。花蓮はできることはやっている。ほんとうに、できる限りのことを、よくやっている。結果につながらないのは、悔しいし、辛い。でも、去年と同じことを繰り返して、後悔するのだけはよそう。だから、自分たちで考えたことを続けよう。このまま進もう。それ以外に、道はないと思う…………。

 

 

  再び、ごめんなさい。
  花蓮の算数の話、書き出すとふくらんでしまいました。話半ばなので、お伝えしたい点を要約して、ともかく流します。

  「六年の夏」という限られた時間を、どう有効に使うか。このテーマを考えるときに、2つの軸がある。
  1つは、塾の方針とハイペースで進む夏期講習。
  もう1つは、自分の課題。
  この2つがうまくかみあう場合────夏期講習の内容を、塾のペースで受けて、自分の力がついていく教科は問題ない。そのまま、塾の講習にのっかっていけばよい。
  しかし、花蓮にとって算数という教科は、そうではなかった。そして、どうすれば自分の課題を克服できるかを考えたとき、チャンスはもう、六年の夏休みしか残されていなかった。
  夏期講習の宿題と自分の課題、どちらを優先させるか。花蓮は選択しなければならなかった。

  文章がかたくて、読みにくくて、途中までで、情けない。次回、この続き。もう一度、算数。自分の課題の克服、そして塾とのやりとり、今うまく表現できないこともふくめて。

 

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コメント 1

黒豆茶

花蓮さん、お返事ありがとうございます。そして、夏の算数についての記事、読みながら胸が詰まる思いです。お話しをもっともっと聞きたいという思いが湧いてきます。文章が固い、読みにくいなんて花蓮さんはおっしゃいますが、そんなことないです。母として今、娘に何が1番いいのか考えてらしたことがすごくよく伝わってきます。実はうちの娘も色々ありまして、夏前にクラス落ちして、成績は上がったのにそのままクラス残留で夏期講習を受けています。この辺の話は長くなるので割愛しますが、モチベーションをあげるはずの夏が、塾のクラス替えの制度の穴にはまってしまったせいで、モチベーションは下がってしまいました。でも本来のクラスから一つ下がったクラスの算数の先生はとても基礎をきちんとやってくださる方なので、逆にこの夏できっちり基礎を見直すのには良かったかもねと娘とは話しています。まぁ夏が終わってみないと良かったのかどうかはわかりませんが。(笑)話が外れてしまいましたが、花蓮さんが皆さんに伝えたいことがたくさんあって、そしてそれを聞きたい私達がいる。だから花蓮さんは何も迷うことなく、去年の夏に感じていたこと、そして受験当日までどんな風にすごしたのか、どんなことが良かったのか、教えてください。偉そうに書いてしまいましたが、ほんとに応援してます。私もこの夏は全力で娘をサポートします。
by 黒豆茶 (2012-07-26 07:50) 

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ようこそ!

 

中学受験を終了されて、いろんな感想を綴ったコメントを送ってくださって、ありがとうございました。

お返事を書きました。
今は、おたよりのページの整理が追いつかない状態ですが、少し時間をかけて、また、「風は、うたう」のページにまとめていこうと思っています。

今日も、来てくださって
ありがとう。

                      <2012年 中学受験体験記>

[かわいい]ゆのさんへ [かわいい]輝ママさんへ 
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[かわいい]みどりいろさんへ [かわいい]chanchanさんへ

[かわいい]そして最後まであきらめないで
走り抜けたみなさんへ


長い長い間、ほんとうにお疲れさまでした。
親子で走り続けることって、いいときばかりではなくて、むしろ辛いときや、投げ出したくなるときのほうが多い。それが中学受験を終えたときの、私の率直な感想でした。
でも、それを最後までやりとおしたことって、すごいことなんですよ。─── そして走り続けた、おひとりおひとりの日々を思うと、ほんとうによくやってこられたと思います。

決して、結果ではない。後悔しないこと─── それが一番大切だと、私は思っています。だって、それが生きるということじゃないですか。


その大切さを伝えたくて、あえて「全落ち」という言葉を使って、今回の記事は書きました。後悔しない日々の先にこそ、必ず道は開けてくる。たとえ、いま涙を流そうとも、たとえ少し時間がかかったとしても………。 必ず道は開けると、私は信じています。

わが子の居場所が感じられる学校に進学された方も、また合否にとらわれずに、最後までお子さん自身の意志を尊重された方も、みなさんの手のなかには、その結果以上のものが、わが子との間に確かにあると感じていらっしゃるのではないでしょうか。

そして中学受験、道半ばのみなさん、どうか今日一日を大切に。
わが子との一瞬一瞬を大切に、過ごしていってください!

                      <2012年 中学受験体験記>

[かわいい]さくらさんへ
このブログを読んでくださるみなさんへ

さくらさん、このブログが心の支えだったと言ってくださって、こんなに嬉しいことはありませんでした。
わたしのほうこそ、ありがとう!

去年、中学受験を闘った私自身、正直、辛いことが多かった。
受験ですから、競争ですから、それにママ友をつくるのがあまりうまくない私にとって、試行錯誤の日々でした。

ひどく孤独ななかで感じたり、考えたり、また見つけた方法を、できるだけ多くの中学受験をするお母さん方に知ってほしいと思って綴りました。


ひどくムラのある投稿にもかかわらず、
アクセス解析をみると、深夜でも、早朝でも、どの時間帯も、いつも、何人もの方が必ず読んでくださっているということが、
このブログを書き続ける、私の心の支えでした。
心から感謝しています。ありがとう。

                      <2012年 中学受験体験記>

 コメントのお返事について

お便りのお返事のページが、「あなたに エールをおくる」のなかにあります。
最初、お返事はいつも、トップページに掲載し、そのあと、消してしまわずに、お便りのページに移動します。このブログを読んでくださっている、みなさんに向けたメッセージでもあるので。
タイトルは「風は、うたう」────いつでも、どうぞ、訪ねてみてください。

                      <2012年 中学受験体験記>

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ブログデザインのイメージ「草原の風」は、私のテーマのひとつです。

                      <2012年 中学受験体験記>

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